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project: no.2
アホ企画その2
「アクセス分析」


analysis of weekly fluctuation
5. 週単位変動の分析

今度はこれまでノイズとして除去してきた週単位変動について分析してみます。生データ( 図1 )を眺めてもわかるように、週単位の変動はなんかだんだん少なくなっているように思えます。とりあえずはそれが本当かどうか確かめてみたいので、週単位変動の強さがどのように変化しているかを見るのが目的ってことになります。で、まずは週単位変動の成分を抽出することを考えます。生データのフーリエ変換から波長7日あたりの成分だけに帯域を絞って逆変換してやればいいわけですな。まずはなるべく狭く絞って波長6.5〜7.5日の成分だけを取り出してみまっす。直流成分(周波数0の成分)も取り除かれるので、平均=0をはさんで上下する7日周期の波が出てくるはずです。結果は下の如し。

図10:波長6.5〜7.5日成分のグラフ。x:Date  y:Count of access / day
図10 生データから波長6.5〜7.5日の成分のみ抽出した結果。

さすがに絞りすぎ(笑) なんか昔のSFあにめのコンソールにでも出てきそうな…。これじゃあちょっと情報を削りすぎでしょう。波長7日ちょうどの波とそれにごくに近い波長の波の合成なので、結果としてうなりが出ています(周波数の近い波を重ねるとうなりが生じる、音の実験でよくやりますよね)。まぁこれだけでも確かにだんだん振幅が減っているなぁということは見てとれるのですが、さすがにつまんないので、もうちょっと広い帯域をバンドパスしてみることにします。これまでの分析で高周波数成分を除去するときに波長10.5日以下の成分をカットしてましたので( 2. フーリエ解析 参照)、ここでもそれにならいたいと思い、残す波長の上限を10.5にします。下限は、周波数の対数のオーダーで波長7日が中央にくるようにして4.7日(正確には4.6666…日)としました。んで上と同じよーにフーリエ逆変換してやると、

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図11:波長4.7〜10.5日成分のグラフ。x:Date  y:Count of access / day
図11 週単位変動。生データから波長4.7〜10.5日の成分のみ抽出した結果。

こんなんになります。かなり不規則な(というか、自然な)カンジになりました。後半で振幅が少なくなっている傾向も同様に見られます。前半ではおおむねプラマイ20くらいの振幅だった(つまり週内で40くらいの落差があった)のが、後半では明らかに小さくなってます。特に2003年5月中にはほとんど振幅がなくなりかけてます。しかしまぁやっぱりこれを見ているだけでは振幅の変動は見えづらいです。ので、今度は振幅そのものをグラフにしてみます。普通どうやるのかあんまよく知らんのですが、よく音声信号ではVrms(電圧の2乗の平均の平方根)をとるらしいので、それにならいました。7日周期の波がメインなので、7日ごとにこの操作をします。実は計算としては標準偏差のことなんですが、振幅の表現であるということを意味するためRMS(root mean squareの略)と表記しておきます。

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図12:週単位変動の振幅(RMS/7日)のグラフ。x:Date  y:Count of access / day
図12 週単位変動の振幅(RMS/7日)のグラフ(赤い線)。週単位変動のデータ(図11と同じ)も薄い線で示してある。

これで振幅が見やすくなりました。後半で振幅が減っているのはやはり見てとれいます。あと振幅の大きさが必ずしもアクセス数の多少と相関していないところも面白いですが、ここで目をひくのはやはり振幅にわりと規則的な変動が見られることです。特に2002年7〜11月あたりで明瞭に出ているのですが、ちょうど1ヶ月単位くらいで振幅が規則的に上下しているように見えます。ここで思い出していただきたいのが、 2. フーリエ解析 のところで言及した波長9日の波です。生データには波長9日の波もいくらか含まれていました( 図2 参照)。こいつがここで効いているんです。どーいうことかと言いますれば、上でも書いたうなりです。試しに波長7の波と波長9の波を足し合わせてみて下さい。どうです、波長30くらいのうなりが出るでしょう。実際、波長7日と波長9日の波では波長31.5日のうなりが出る計算になります(周波数 F1 の波と周波数 F2 の波によるうなりの周波数は | F1 - F2 | になります)。最初は波長9日の波をカットしちゃってたんでこのうなりは出てませんでした( 図10 )が、帯域を広げて波長9日の波も通すようにしたのでうなりも出てきてるんですな。

で、このうなりをどう考えるか、ですけれども。9日周期で何かが起こっているとは考えにくいので、週単位変動に9日周期の変動が加算されて結果としてこのうなりが出ているとは言えないでしょう。おそらく週単位変動の振幅はなぜか知らんが1ヶ月単位で変動する傾向があって、その傾向の表現としてフーリエ解析結果には7日周期波プラス9日周期波が現れているのでしょう。じゃあ何で週単位変動の振幅は1ヶ月単位で変化するのか? はっきり言って思いつきません。誰か教えて(笑) うーん、なんだろう、感想更新がほぼ1ヶ月ごとに停滞したりするんでしょうかね。感想更新が滞ってれば週単位変動が狂うってことはありそうですもんね。

あ、そうそう。後半で週単位変動が小さくなってることの原因ですが。これはまぁわりと明らかです。ひとつは感想レギュラー番組の放映日が日・月に偏っていたのがそうでもなくなってきたからです。2003年1月には水曜日にMRRが始まりましたし、4月には日・月あにめが一気に3本も終わりました(デジフロ・ヒカリアン・ロックマンエグゼ)。もうひとつは、まぁ、やっぱり感想更新の停滞が多くなったことでしょうな…(笑)


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いちのぎ燎 ICHINOGI Ryo e-mail : ichinogi@anet.ne.jp

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